■二宮和也は『ブラックペアン』独特の演技に注目!

 次に挙げたいのが二宮和也の“アドリブ”だ。この放送回でも、仮眠室から出て行けといわれた渡海は「えっ? 自宅ここなんですけど」とつぶやくシーンがあったが、実はこれもアドリブ。渡海が二宮に憑依したようなアドリブは、どれもインパクトがあった。

 最後は、ドラマ『半沢直樹』、『陸王』(ともにTBS系)など、これまでの日曜劇場でもたびたび使われてきた“どアップシーン”の多用だ。たとえば、この放送のラストシーン。渡海が一命をとりとめた佐伯に、口パクで何かを告げるというものだったが、声も聞こえず二宮和也のアップが無音で流されていた。画面いっぱいに役者が映されたときの数秒の間が、ドラマを支えていたといっていい。二宮に加えて、内野聖陽や小泉孝太郎(39)は、セリフだけでなく表情で語る場面が実に多く、ドラマに重厚感と緊張感を与えていた。

 さて、簡単に述べたが、このドラマをヒットに導いたこれらの演出手法は、“最終回を見るときのポイント”とも言い換えられるだろう。ドラマ開始直後は大げさな演出に批判の声もあったが、ここにきて、その演出手法がうまく視聴者を取り込んでいる。最終回でも「おっ、待ってました!」と膝を打ちたくなるような『ブラックペアン』流の演出が待っているはず。ここにも注目して最終回を見届けてほしい。(半澤則吉)

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