■『プロフェッショナル 仕事の流儀』のパクリも?

 この演出も含め『西郷どん』は、物語のストーリーとは直接関係ないところでニュースになることが多い。たとえばこの放送では黒のバックに「守らにゃならんものが、まだある」と白文字だけを置き、吉之助の気持ちを描くシーンがあった。これにもSNSでは「プロフェッショナルかよ?」とツッコミの声が。どこまで意図したのかは分からないが、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)を思わせる演出だったのは確かだ。

 もっとも画期的だったのは4月1日の放送回だろう。この日は通常のドラマ放送をやめて、鈴木亮平と島津斉彬を演じた渡辺謙(58)のドキュメンタリーと対談からなる特番を放送したのだ。『西郷どん』の一部としてドキュメンタリーを流したことには賛否両論があったようだが、大河ドラマ初の試みとしてニュースとなり、それまでドラマを見ていなかった人を取り込むことに貢献した。

『西郷どん』には時代考証がおかしい、など多方面からツッコミが見られてきたが、少なくても“ニュースになる”ドラマとしては成功している。もちろん今回の雪篷とのシーンが話題作り目的だったわけではないだろうが、これだけ注目されたのだからNHKとしては万々歳だろう。これまでも大河の演出は話題になることは多かったが、『西郷どん』はもっともニュース化されるドラマといってもよい。今後、どんなシーンが“ニュースになる”のか、それを楽しみに見るのも『西郷どん』を楽しむ方法の一つではないだろうか。(半澤則吉)

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