NMB48本郷柚巴の小説家への道もゆずらへんで!【第11回】の画像
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本郷柚巴の小説家への道もゆずらへんで! 
【第11
回】 有名小説から冒頭の書き方を学ぶpart.2

いつも全力~!
 
元気!(100%)
笑顔!(100パー!)
果汁~!!(オーッ!!)
せ~の……100パー!!!!
小説家への道もゆずらへんで!(フゥー)
NMB48チームNの15歳、本郷柚巴です!

――前回から、面白い書き出しを学ぶべく、有名小説の冒頭を読む本郷さん。「私は本郷柚巴」のようなNG書き出しもあれば、その例外もあるようで……。

=本郷柚巴 =真代屋秀晃 写真=佐賀章広)

今回は、「書き出しを学ぶ」第2回!

 

「前回、やってはいけないと説明したことをやりながら、“なんで?”と思わせる超有名小説の書き出しがあるんです」

「えー、なんですかー!?」

我輩は猫である。名前はまだ無い。
(夏目漱石『我輩は猫である』より)

「たしかに(笑)」

「これは猫だからいいんですよ(笑)。それ自体が“なんで?”ってなるでしょう。一見、私は○○というやってはいけないと説明した構図と一緒ですが」

「ほんまやー。よく聞くフレーズだけど、改めて考えてみると面白い……」

「あとこれなんかも、教科書にはないと思うんですけど有名な一行で……」

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
(川端康成『雪国』より)

「へー、確かに初めて見ました」

「この一文だけで、トンネルを抜ける前は田園風景なのかな、つまり雪国じゃなかったってことが分かって、トンネルを抜けた瞬間に真っ白い景色がパーッと広がりますよね。異世界というか、違う世界に行ったかのような。今から小説が始まるよ、いらっしゃいっていう」

「読んでるだけで、一緒に雪国に入ってる感じがします」

「そうなんですよ。それが素晴らしい表現で。本郷さんは、なんの小説が好きですか?」

「なんやろ、東野圭吾さんとか……『手紙』は本当に面白かったです」

「なるほど。では、ミステリー系がいいですね。ミステリー小説は、基本的には犯人当て小説なので、事件が起こるまで退屈に思われがちなんですよね。だから、ちょっと前までは冒頭でいきなり死体を出すのが正解といわれていました」

「おぉ……」

「それでみんながパニックになった描写を書いてから、数時間前~のように持っていく」

「気になりますね。うんうん」

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