綾野剛
綾野剛

 綾野剛(36)が主演するドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日系)が、早くも9月6日に最終回を迎えてしまう。来る最終回に向けて気持ちの高まっているファンも多いだろうが、今回は『ハゲタカ』の隠れた魅力である、セリフを探ってみたい。まずは8月30日放送の第7話を振り返ってみよう。

 舞台は2018年。サムライファンドの鷲津(綾野剛)は、セミナーの教壇に立っていた。そこで出会った「スペース・フロンティア・ジャパン」の天宮(森崎ウィン/28)から融資の依頼を受けるが、鷲津はこれを断る。そして芝野(渡部篤郎/50)とともにデータ改ざん問題に揺れる帝都重工を訪れ、日本ルネッサンス機構の飯島(小林薫/66)から、帝都重工の買収を打診される。その後、帝都重工のさらなる闇が発覚し、鷲津は飯島たちに驚きの提案をすることに……という展開だった。

 最終章に突入し、現在が舞台となっても鷲津が放つ言葉のパワーが衰えることはなかった。第7話では、融資を依頼してきた天宮に対する、「夢とは実現する意思のない人間が使う言葉」、「自力で飛ぶ覚悟を持て。話はそれからだ」という言葉が印象的だった。

 冷徹ではあるが、説得力たっぷりで何も言い返せない、なんとも鷲津らしいセリフだった。この放送回だけではない。振り返ると『ハゲタカ』は鷲津の名言を堪能するドラマだった。

 まず第1話で、鷲津は「さあビジネスの時間だ」という名ゼリフをさっそく発している。この言葉は、以後も鷲津のキメゼリフになったが、若い頃から鷲津はクールで印象的な言葉を残してきた。

 そして第1部のラストとなった第3話での、「死ぬこと以外かすり傷」という名言は大いに話題になった。自殺した父の無念を思いながら、当時、三葉銀行にいた飯島に吐いた言葉だ。第1部で一番インパクトを与えたセリフがこれだろう。これで一気に『ハゲタカ』=名言の宝庫と注目され、がぜん見逃せないドラマの一つとなったのだ。

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