『透明なゆりかご』水川あさみ「妊婦の不安と焦燥」を熱演
※画像はNHK『透明なゆりかご』番組公式サイトより

 9月7日に『透明なゆりかご』(NHK)の第8話が放送された。今回は、高校の看護学科に通いながら看護助手をしている主人公、青田アオイ(清原果耶/16)の先輩看護師、望月紗也子(水川あさみ/35)の妊娠が判明した。笑顔で由比産婦人科の同僚たちに妊娠を報告した紗也子だったが、徐々に働く妊婦だからこその不安や悩みに苦しんでいく。紗也子の苦悩は、現代の働く妊婦たちも抱える苦悩だろう。

 紗也子は妊娠しても、出産予定日半月前まで仕事をすると宣言し、産休中には助産婦試験も受けるとはりきっていた。強気な紗也子は、仕事にも全力だったが、つわりは日々重くなり、集中力が落ちて仕事中にミスも出てきた。たくさんの妊婦を見て、知識もある自分は大丈夫だと自信もあったが、うまくいかない焦りや不安で紗也子から笑顔が消えていった……。

 実際に妊娠をしてみると、思うように体が動かなくなっていき、仕事もままならない。働く女性が増えた今の世の中では、たくさんの女性がこのような問題に直面している。人によって重い軽いという差はあるが、妊婦は、吐き気や嘔吐、貧血、腰痛、動悸息切れ、低血糖など、さまざまな体調の変化を経験する。妊娠初期は、特に普通の日常を過ごすことすら難しい人もいる。

 紗也子は「妊娠は病気じゃない」と言って無理をしていたが、同じように無理をしている妊婦は多いだろう。今回、妊娠の初期症状で紗也子が倒れてしまったとき、アオイは「病人でもいいじゃないですか」と励ました。アオイは、体調不良を病気だと思えば、それにどう対処するか考え、前向きに動けるのではないかと考えたのだ。これは、幼少期から“注意欠陥多動性障害”という病気で悩んできたアオイだからこそ、たどりついた答えだったのではないか。

 自分ではどうにもならない体調と、そのために仕事をセーブし、また復帰できるのかという不安を抱えることは、働く妊婦が感じるストレスだ。それを支えられるのは、家族や周囲の人たちしかいない。子どもは一人では産めない。育てるのにも誰かの協力が必要だ。妊娠は病気ではないが、妊娠による体調不良は「病気と同じもの」と認識すれば、自然と妊婦を気遣える世の中になるだろう。

 病気で具合が悪い人に手を差し伸べることができるのならば、つわりなどで苦しむ妊婦にもその手を差し伸べてほしい。そんな優しさのある社会になれば、それは妊婦の支えになる。女性だけでなく、男性にもぜひ見てほしいドラマだ。

※画像はNHK『透明なゆりかご』番組公式サイトより

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