■キンタロー。とテレビ局ですれ違ったとき、お礼を

やく「この仕事を始めたときから、“人の生死もネタにしてやる!”という気持ちはあるんですけどね。特に20代、30代の頃は芸能人のことなんかも、めちゃくちゃに描いていましたから」

ゆま「怒られることも?」

やく「直接的には言われなくても、テレビの仕事で、めちゃくちゃに描いた芸能人と実際に会ったりするとなると、気まずい。そういうときはとにかく、みんながいる前で私は早々に土下座をするんです」

ゆま「男らしい!」

やく「お互い気まずいまま仕事をするのは嫌だし、向こうから何か言われる前に謝っておくべきです」

ゆま「それが一番ですね!」

やく「逆にお礼を言われることもあるんです。女芸人のキンタロー。さんとテレビ局の廊下ですれ違った際、“あのときはありがとうございました。感謝しています”と言われたんです。“はて、何のことだ?”と私は思ったんですが、どうやら昔、彼女のやったアイドルのモノマネが炎上したとき、私は擁護をするようなコメントを出したらしい(笑)。まったく覚えていないんですけどね」

ゆま「意外と、自分の描いたネタは覚えていないものなんですかね?」

やく「正直、3日前に描いたネタを思い出せ、と言われても無理です。たとえば、麻美さんは3日前に何を食べましたか?」

ゆま「そんなの、覚えてない(笑)」

やく「私にとっては、それと同じ感覚です」

ゆま「そうなんですね。でも、やくさんといえば物知りの雑学王ってイメージもあります。クイズ番組でも、ものすごく博学ですもん」

やく「いやいや。せっかくなので一つ雑学を……智惠(知恵)の“智”という言葉がありますね。実は私、外見を見るだけで、その人に“智”があるかどうか分かるんです」

ゆま「そうなの?」

やく「残念ながら、ゆまさんは“智”がありませんね」

ゆま「ひぃえ”。バカなのは自分でも分かっているけど……顔もバカっぽいですか?」

やく「私には“智″が備わってますけどね」

ゆま「悔しい! なんで、外見だけで判断できるんですか?」

やく「そ、そんなに怒らないで(笑)。実は“智”というのは……」(後編につづく)

やくみつる 1959年、東京生まれ。81年にはた山ハッチとして漫画家デビュー。以後、説明のいらないほどの活躍を続け、今ではコメンテーターやタレントとして多くのテレビ番組に出演している。本誌連載『どう政っちゅーの』では、政治を風刺したイラストを描いている。

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