佐藤健の快進撃はまだまだつづく!『半分、青い。』の評価は……
こうして着実に実績を積み上げてきた佐藤が、30歳目前で選択したのがNHKと民放の同時期のドラマ出演だ。しかも、人気・実力ともに主演クラスとなったこのタイミングで、あえての助演である。同時期の出演にはリスクも多い。露出過多となって飽きられたり、かえって演技のふり幅のなさが露呈する場合もある。
結果は言わずもがな。賛否ありながらも高視聴率をキープした『半分、青い。』、民放夏ドラマの全話平均視聴率トップとなった『義母と娘のブルース』。いずれもヒロインを支える役柄ながら、知性派の好青年“律”と元ヤンのおバカ店長“麦田”という対照的な人物を見事に演じ分け、ドラマに奥行きを加えていたことは間違いない。
本人は「たまたま違う役柄を同じ時期にやっているという理由で、謎の評価ですよ」(映画『億男』の完成披露試写会より)と謙遜するが、キャリアプランを見据えた作品選びのセンス、そして主演としての華もありながら、脇にまわれば主演を引き立てることもできるバランス感覚は、松坂桃李(30)、窪田正孝(30)ら同世代俳優の中でも際立っている。
『るろうに剣心』続編の製作が決定し、キャスティングが難航しているとの噂もささやかれる中、“視聴率男”の次なる展望はいかに。