綾瀬はるか、新垣結衣…「ヒット脚本家に愛される」女優たちの画像
綾瀬はるか(左)、新垣結衣

 今夏放送された『義母と娘のブルース』(TBS系)での好演が記憶に新しい綾瀬はるか。2年前に“逃げ恥”ブームを巻き起こし、現在は『獣になれない私たち』(日本テレビ系)で女優として新たな一面を見せている新垣結衣。ドラマ出演のたびに話題を呼び、幅広い世代から大衆的な人気を得ている2人。国民的女優に上り詰めた彼女たちの共通点に注目したい。

 回を追うごとに右肩上がりとなり、最終回は19.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と民放連ドラトップで有終の美を飾った『ぎぼむす』。主人公のキャリアウーマン・亜希子を演じた綾瀬の“鉄の女”ぶりもさることながら、“義母と娘”という現代家族の形をハートフルに描き出したことで、視聴者満足度の高い作品となったことも高視聴率の一因だろう。

 脚本家は森下佳子。NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』(2013年)、TBS系『天皇の料理番』(15年)など、数々の作品を手掛けたヒットメーカーだ。綾瀬とのタッグに注目してみると、04年のTBS系『世界の中心で、愛をさけぶ』から始まり、『白夜行』(06年)、『MR.BRAIN』(09年)、『JIN-仁-』(09年、11年)、『わたしを離さないで』(16年)、そして今回の『義母と娘のブルース』(18年、すべてTBS系)で実に6度目。全作品に主役または準主役級の役どころで出演しており、綾瀬はまさに森下作品のミューズと言える。

 中でも、弱冠20歳で出演した『白夜行』の演技は秀逸だ。余命わずかな女子高生を演じた『セカチュー』のはかなさから一転、大人たちに翻弄され、罪を重ねていく悪女を説得力を持って演じ切った。原作からの大胆な設定改変も功を奏し、視聴率こそふるわなかったものの、名作として今でも根強いファンが多い。

 一方、11年の主人公に思いを寄せる武家の娘を演じた『JIN-仁-』も2作続く人気作品となり、完結編は全話平均視聴率20%超え(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。綾瀬はけなげで奥ゆかしいヒロインとして輝きを放っており、出演する数多くの作品の中でも代表作と言えよう。

 そして今回の『ぎぼむす』では、CMやバラエティで見せる朗らかな笑顔を完全封印。無表情ながら、情の厚さを感じさせるキャリアウーマンにふんして物語を引っ張り、夏ドラマの話題をさらった。女優の新たな魅力を引き出し、それがストーリーに説得力をもたらすという好循環。“綾瀬×森下”は、まさに相性抜群の黄金コンビである。

 一方、“ガッキー”の愛称で親しまれる新垣は、ヒロインがよく似合う女優だ。現在放送中の『獣に~』でも、松田龍平田中圭らを相手に、ラブストーリーのヒロインとして立ち回っている。

 脚本は野木亜紀子。いま最も旬な脚本家と言えばこの人で、新垣主演で社会現象を巻き起こした『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)はもちろんだが、最近では石原さとみ主演の『アンナチュラル』(TBS系)もスマッシュヒットさせている。

 新垣とのタッグは『空飛ぶ広報室』(13年、TBS系)『掟上今日子の備忘録』(15年、日本テレビ系)、『逃げ恥』、そして今回の『獣に~』で4回目。すべてヒロイン的役どころではあるが、勝気で上昇志向の強いテレビディレクター、寝ると記憶がリセットされる忘却探偵、契約結婚するこざかしさを持つ女性、仕事もプライベートも身を削り続けるアラサー会社員とさまざまな切り口で味付けされ、ドラマごとに新鮮な姿を見ることができる。

 とりわけ大きな反響を呼んだ『逃げ恥』では、本来であればかわいげのないリアリストな主人公・みくりが、あそこまで魅力的なキャラクターになったのは、原作の意図を汲んだ胆力のある脚本と、新垣自身が持つ小動物的な愛らしさの相乗効果のおかげではなかろうか。 いうなれば、“ガッキー×野木”の「組み合わせの妙」である。

 群雄割拠の芸能界において、代表作を積み上げ、女優としてひときわ輝きを放つ両者の共通点。それはヒットメーカーとの相性のよさ、作品のミューズとなりうる稀有な存在感といえそうだ。

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