■食後にうがいして虫歯予防
3つめは、「食後に、うがいをすること」。「虫歯の原因になるミュータンス菌は、砂糖(ショ糖)だけを食べるバイ菌。ですから砂糖を取らないに越したことはないんですが、いろんな食べ物に含まれているので、一切取らないというのは無理でしょう。そこで、食後できるだけ早くうがいをし、砂糖成分を口の外に出しましょう」
それは、糖分が多く入っているスポーツドリンクや缶コーヒーを飲んだときも同様だ。
4つめは、「歯磨きの最後に舌も磨く」だ。「口を開けると、ピンク色の舌の表面に白っぽいものが着いています。これは舌苔と呼ばれ、バイ菌の作ったものが苔状に付着したもの。口臭の原因にもなりますし、取りましょう」
最後の5つめは、「歯ブラシで取れないプラークは歯間ブラシで取る」。「歯と歯の間に隙間がある方には、歯ブラシに加え、歯間ブラシの併用を勧めています。同じ使途のデンタルフロス(糸楊枝)もありますが、歯の根元には、くぼんだ空間もあるので、ピーンと張った糸状のフロスでは取りにくい。その点、歯間ブラシはワイヤーについたナイロンの毛がプラークを除去してくれやすいんです」
さらに齋藤氏は、我々が歯を失う原因は歯周病と虫歯で7割以上を占めているが、その裏にはTCHの存在があると指摘する。「通常、上下の歯は食事、嚥下(口の中の食物を胃にのみ下すこと)、会話をしている以外では接触しなくても何も困りません。それ以外のときに、無意識に上下の歯をつける癖を専門用語でTCH(上下歯列接触癖)といいます。TCHリスクが高いと、絶えず歯に強い圧力がかかり、顎関節症ばかりでなく歯周病、虫歯を進行させる原因にもなるので、思い当たる方は専門医に相談をしてください」
以上の新常識を実践し、100歳になっても自分の歯で、なんでも食べられる“生涯現役”を、ぜひとも貫いてほしい!