光浦靖子(左)と麻美ゆま
光浦靖子(左)と麻美ゆま

 3週にわたってお届けした光浦靖子さんとの対談も、いよいよ最終回です。ここまでは光浦さんの“お笑い論”を中心に聞いてきましたが、やはり気になるのはプライベート! 光浦さんの“乙女”な部分に迫りたいと思います。

ゆま「光浦さんといえば、すごく“乙女”なイメージがあるんです」

光浦「確かに乙女部分は多いと思うんだけど、すごく仲のいい人からは“乙女を被った男”だと言われるのよ~」

ゆま「中身が“ザ・男”ってことですか?」

光浦「子どもの頃から、女子の世界もよく分からないのよね。女子って、すぐに仲間外れにするでしょ。いったい、何が問題で仲間外れにされるのか分からなかったわ」

ゆま「確かに(笑)。女子の嫌な部分ですよね」

光浦「でも、幼少期の自分に戻りたいけどね~」

ゆま「ええ!? そう思うんですか?」

光浦「幼少期の頃って楽しかったのよね~。一人で塗り絵をして、一人でウサギに餌をあげて、友達とつるまなくてもよかったじゃない。一人遊びが本当に好きだったのよね~」

ゆま「それが、だんだん大人になると、できなくなるってことですか」

光浦「そう。小学3年生ぐらいになると、女子って、どこかのグループに所属しないといけなくなるでしょ。それが嫌で嫌で。面倒くさいなぁと思っていましたよ」

ゆま「分かります(笑)」

光浦「その頃から、今の私のネガティブな性格が作られている気がするのよね。学級委員で真面目っぽくて、でも、陰で人の悪口を言うとかね」

ゆま「アハハ。でも、分かりますよ。私も本当は自分の世界で遊んでいたいんだけど、思春期になるにつれて、みんなに合わせて遊ばないといけない。別に楽しくないことでも、つきあわないといけないというか」

光浦「ね~。高校生になると、だいぶ自由になるんだけどね。中学生ぐらいまでは、みんな“成長”していないから。特に威張っている奴の前頭葉が、まだ成長していないのよ」

ゆま「前頭葉?」

光浦「そう。抑制とかを働かせるのが前頭葉なんだって、なんかで読んだの。でも、威張っている奴の前頭葉がまだ成長していないと、感情のまま突っ走るから、理不尽なイジメとかをするんだよね~」

ゆま「なるほど……」

光浦「だってさ、社会人になって“お前、ちょっとパン買ってこいよ!”とか言う人、いないじゃん」

ゆま「そんなことしたら周りからバカにされるし、相手にもされませんよね」

光浦「それは、抑制ができるからなの」

ゆま「思えば、私も中学生ぐらいの頃、お兄ちゃんと喧嘩して、窓ガラスを割ったりしていました……あれも前頭葉が、まだ成長していなかったからですよね」

光浦「そうなのよ。バカなのよ、簡単に言うと」

ゆま「ただ、逆に大人になると、自分を客観視して抑制できちゃうから、言いたいことも言えなくなっちゃうことって、ありません?」

光浦「それも分かる。人の目ばかり気にしてね。少し話は変わるけど、若い頃のある時期は、周りの目を気にしない無敵の期間でもあると思うのよ」

ゆま「はいはいはい! すご~く分かります」

光浦「私にもあったのよ、そんな時期が。20代でデビューしたばかりの頃、何も怖くなくて、イケイケだったのよ」

ゆま「おおっ!」

光浦「1年も持たなかったけどね」

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