■山田孝之『電車男』の頃とは時代が変わった

 また本作のヒロインである茅野さくら(永野芽郁/19)もプロレスオタクというキャラ設定で、ときおり細かなプロレスネタを披露している。趣味嗜好が多様化し、以前よりネガティブなものでなくなったのか、“オタク”は視聴者の共感を得るツールとしてドラマのキーワードとなっているのだ。

 週刊少年ジャンプ(集英社)のファンたちを描いたドラマ『オー・マイ・ジャンプ』(テレビ東京系)や、dTVのオリジナル作品として配信されたアイドルオタクドラマ『婚外恋愛に似たもの』など、オタクを軸に据えた作品は増える一方だ。オタクは山田孝之(35)主演で話題となった2005年の映画『電車男』のように奇異な存在として描かれた時代は終わり、身近な存在として、今や視聴者とドラマ世界の距離を近づける役割を持っているのかもしれない。

『3年A組』は設定やキャラレベルでそんな時流に見事に乗っかり、多くのファンの共感を得ている。なるほど、視聴率が取れるのも納得だ。最終回までわずかだが、最後までこの高視聴率ドラマを見守ろうと思う。(ドラマライター・半澤則吉)

※画像は日本テレビ『3年A組』番組公式ホームページより

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