すべては“さとしゃぶ”から始まった!
和食ファミリーレストランでは最多店舗を誇る和食さと。1968年に尼崎に誕生したすし半本店がルーツだ。母体のSRSホールディングスは定食屋チェーン、「宮本むなし」もいまでは傘下にしているが、和食さとは子会社のサトフードサービスが運営している。関東では栃木や群馬にはないが、関西2府5県にはすべてあり、西日本での知名度は圧倒的だろう。
ファミレスのしゃぶ放に特徴的なのは専門チェーンよりぐっとメニューを絞り込んでいること。さとは典型的で、牛豚と豚のみの食べ放題の2設定しかない。前者がしゃぶしゃぶのみのスタンダードで2時間2290円、後者だと1990円だ。しかし、ほとんどの客が選ぶのは、75品目以上の料理が食べ放題になるプレミアムコースだろう。特に子連れであれば、子供の値段は両コース変わらないので(小学生で1290円、未満だと490円)、子供のためにそちらにするはずだ。
実際、キッズにはしゃぶしゃぶ以上に魅力的な単品メニューが居並ぶ。7種ある寿司や麻婆丼にガーリックチャーハン、期間限定のカキフライに海老グラタン……。しゃぶを取るか単品か……胃袋にも限界があり、悩ましいところだ。
ただ、単品はチェーン居酒屋なら標準的だが、しゃぶしゃぶというご馳走を食べに来たと思うと、どれも微妙なお味。肝心の肉質(牛はブラックアンガスのやや霜降りのカルビと肩ロース、豚はノンブランドのバラと肩ロース)がいまいち冴えないのだ。
野菜の鮮度も、6種類から選べる出汁もポン酢と胡麻のタレも、いわば“普通”。テンションが上がらず、寿司にまで手を出せずじまい。
ただし、一方で「さと飲み」という言葉も一部流行るくらい、せんべろのメッカとしても知られるさと。セルフ飲み放題で平日2時間998円という、ご自慢の“さとバル”も昨年内には全店で実施するようになった。自分の好みの濃度でカクテルやサワーが作れるし、ウィスキーもホワイトホース(堀越学園前店の場合)。ついフードへの鬱憤を酒で晴らしてしまったのだった!
【和食さと】
牛・豚食べ放題【120分】
スタンダード2290円
プレミアム2790円
豚食べ放題【120分】
スタンダード1990円
プレミアム2490円
さとバル【120分】998円
※この記事は、雑誌「EX大衆」2019年3月号を元に作成しました。
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