■スイッチの切り替えが、これからの課題

ーーさて、春場所の千秋楽の栃ノ心関との対戦は、勝てば大関が確定、逆に栃ノ心関は大関から陥落するという厳しい相撲でしたね。

貴 前の夜から相当悩みましたね。「自分がやれることは何か?」と考えてみましたけど、「技」があるわけじゃない。だから、自分が持っている、ほんの少しのものを最大限に使おう……と。自分の最高の武器(押し相撲)を出すだけ出して、あとはなるようになる! つまり「自分を信じてあげる」と腹をくくりました。

ーー栃ノ心関には、小さい頃にかわいがってもらったそうですね。

貴 メチャクチャ面倒みてもらいましたが、土俵上では別です。結果、自分が勝って10勝を挙げて大関当確となったときは、「あぁ、相撲をやり続けていてよかったな……」としみじみ思いましたね。この千秋楽の栃ノ心関との相撲では、自分なりに「つかんだ」ものがあった。この感覚をいつもつかめるように、スイッチのオンオフじゃないですけど、切り替えていくことが、これからの課題ですね。

ーーなるほど。大関昇進については、前の師匠、元貴乃花親方が「よくやった。でも、これからが相撲道の始まりである。健闘を祈る」というメッセージを表明されていましたね。

貴 以前から、師匠のコメントは意味が深いというか……。一つの言葉に、いくつもの意味が含まれていて、一つの言葉だけを捉えては失敗する。まるで謎解きみたいなんです。 何個ものヒントが隠されていて、それが分かるようになれば、もっと強くなる。序二段くらいの頃に言われたことが、最近になって分かるようになったりとか、そんな感じです。まだ分かっていない部分もありますし、答えが合っているかは分からないけど、常に模索しています。「相撲道とは何か?」ということも、教わりました。

ーー具体的には?

貴 先輩に教わったことを素直に聞く。大相撲は昔からの伝統を代々引き継いで、今に伝えていますよね。ちょんまげだって、江戸時代のときの頭なわけです。なんで力士がちょんまげをつけて、土俵に上がっているのか。そういう意味を考えて、相撲を取ることが大切。 もちろん現代風にシステムを変えることも必要かもしれないけれど、時代が変わったといわれても、変えなくていい美しさもある。それが伝統美だと思うし、大切にしていきたい部分ですよね。

ーー新大関としての抱負をお願いします。

貴 横綱となった方を見ていると、大関をさっさと通過する方が多いので、もちろん自分も早く、その地位に行きたい。現状では全然満足していません。 令和という新しい時代に、大関として新たなスタートを切る。力を出し切って、「いいスタートを切れたな」と思えるような場所にしたいです。でも、両親と誓った夢は、まだ果たせていないので、これからも精進していきます!

 ※ ※ ※

 5月20日発売の『週刊大衆』ではこのほか、最小兵関取として注目される炎鵬へのインタビューを掲載している。

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