目の悩みの元凶はスマホ!? 間違いだらけの「目薬選び」の画像
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 薬局の棚に無数に並ぶ目薬。なにげなく手にしているが、これは大問題。正しく選んで、点眼する方法とは!!

 加齢による、かすみやピントのボケ、充血、ひりつくような痛み……など、10年前なら気にならなかった“目の悩み”を抱えている読者は多いはず。「中高年だけではなく、近年は日本人の視力の衰えが顕著です。元凶はスマホ。小さな画面をじっと眺めているため目が疲れるうえ、画面から放射されるブルーライト(青色光)が、特定の視細胞に影響するからです」(都内の眼鏡士)

 そんな現代人の目の悩みを解決してくれるのが市販の目薬だが、選び方には注意が必要だという。「大型のドラッグストアには、100種類以上の目薬が陳列されていますが、多くの方は“なんとなく”買っているのではないでしょうか。ただ、これでは個々の症状に最適な目薬を買うことはできません」(調剤薬局の薬剤師)

 さらに、奥ノ山医院(眼科=東京都世田谷区)の奥山公道院長は、「まずは眼科を受診して、最適な目薬を知ることが必要」と指摘する。そのうえで、「補助的に市販の目薬を利用する」のがベストだという。目の不快感には、大別して「充血、痛み、かすみ(ピントのボケ)、かゆみ、乾き(ドライアイ)」の5つがある。この中で、自分がどの症状を改善したいのかを念頭に置く必要があるのだ。「充血は、炎症で目の血管が膨らむことで起こります。この場合、炎症を抑えることが必要になりますので、目薬のパッケージの成分表示を見て、炎症を抑え、血管を収縮させる塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリンが含まれる商品を選ぶべき」(前出の薬剤師)

 充血は“疲れ目”でも起こる。パソコンやスマホを凝視した日などは、目が真っ赤になってしまう人も多いのではないだろうか。「目のレンズにあたる水晶体は、毛様体筋という微細な筋肉によって調整されます。疲れ目は、この毛様体筋が疲労を起こした状態。いわば“目の筋肉痛”なんです。これを改善するには、代謝を促し、筋肉や神経に必要な成分を補給してくれるL-アスパラギン酸カリウムやタウリンが配合された目薬がお薦めです」(同)

 続いて目の痛み。ヒリヒリしみる、チクチク刺す、目の中がゴロゴロする、目ヤニが特徴的だが、どれも目の炎症が原因とされる。「こうした症状の場合、眼科を受診すると、結膜炎や、ものもらいと診断されることもあります。細菌感染している可能性もあるため、市販目薬を使用するなら、“抗菌”と書かれたものを選びましょう。成分は、炎症を抑えるグリチルリチン酸二カリウムやアラントイン、細菌を殺す抗生物質のスルファメトキサゾールが配合されているものを選んでください」(同)

 目のかすみやピントが合わない場合は、どうか?「パソコンやスマホを凝視して目を酷使し、ピントが合わない症状を訴える人が急増しています。ネオスチグミンメチル硫酸塩という成分には、眼球の末梢神経を活性化させる働きがあるので、ピント調節を助けてくれます」(前出の眼鏡士)

 目をつむり、温かいおしぼりを目の上に3分くらい乗せておくのも、ピントが合わないときに効果的とか。「花粉やハウスダストといったアレルギーで目がかゆいときは、抗アレルギー成分であるクロモグリク酸ナトリウムやクロルフェニラミンマレイン酸塩が含まれているかが、ポイントになります」(薬剤師)

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