■山田陽平の名前に隠された意外なヒント
まず陽平がなつと同僚だということを、忘れてはならない。部署が違うため登場シーンは少ないが、同郷の2人が今後、深い関係になっても不思議ではないし、現に、なつのモデルであるアニメーター、奥山玲子氏は同僚のアニメーター、小田部羊一氏と結婚している。
この小田部氏は、後に宮崎駿(78)らとともに『アルプスの少女ハイジ』などを生み出す、日本アニメ界のレジェンドだ。そしてその経歴を見てみると、さらに驚きの事実があった。なんと小田部氏は、東京芸術大学の卒業生なのだ。実は『なつぞら』の陽平も芸大出身であり、これは偶然の一致とは思えない。
また、名前そのものにもヒントが隠されている。「山田陽平」という名前は「小田部羊一」のもじりである可能性が高いのだ。「山」と「小」は文字のシルエットが似ているし、「田」の字が共通しているうえ、「よう」の音が共通している。「山田陽平」=「小田部羊一」なのだとすれば、なつと陽平が結婚するという未来も見えてくる。
ちなみに小田部羊一氏は、『なつぞら』でアニメーション時代考証を担当している。それもあって、当時のアニメーターたちが持つ熱が伝わるドラマになっているわけだが、ひょっとするとなつの「恋」も自身が考証しているのかもしれない。いずれにせよ、なつのお相手が誰になるか、今後の展開に注目だ。(朝ドラ批評家・半澤則吉)
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