しかし――というか、だから、というか――2015年10月29日、弱冠17歳にしてモーニング娘。を卒業することを電撃発表。同年大晦日のハロプロカウントダウンコンサート第一部のラストで『Go Girl 恋のヴィクトリー』を歌ったのを最後に(より正確には、アンコールで出てきて、お決まりの「ひゃっほーい! ひゃっほーい! ひゃっほーい!」を叫んだのを最後に)表舞台から姿を消した。

 卒業後はダンスと英語の勉強のためアメリカに留学すると言われていたが、その消息はほとんど不明。ハロー!プロジェクトに籍は残されていたものの、どこでなにをしているのかはまるで伝えられず、ファンがかろうじて姿を見たのは、NYのダンススクールで撮影されたレッスン動画とされる数十秒の映像と、某OGのブログに一瞬だけ掲載されたあとに、すぐ消された1枚のスナップ写真くらいだった。

 そして昨年12月、前月末をもって鞘師里保がアップフロントプロモーションとの専属マネージメント契約を終了し、ハロー!プロジェクトを卒業したことが発表された。

 ファンが夢見たモーニング娘。復帰だの、ソロデビューだのはもちろんのこと、留学の成果が披露される機会もないまま、もう鞘師は見られないのかも……と思いはじめころ、晴天の霹靂のように降ってきたのが「ひなフェス2019」の出演告知。

 ひなフェスというは毎年3月にやってるハロー!プロジェクト所属グループ総出演の春フェスなんですが、その初日にあたる3月30日の昼公演(ハロプロ20周年プレミアム公演)のゲスト出演者の中に、鞘師里保の名前が載っていたのである。なんの前兆も前フリもなかったので、最初は、だれかの名前と入れ違えたんじゃないかと(ハロメンのあいだでさえ)囁かれたくらいだった。

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