『お坊さんバラエティぶっちゃけ寺!』(テレビ朝日系)や『怪談テラーズ』(MONDO TV)などに出演し、「怪談説法」が大人気の“怪談和尚”こと、三木大雲住職。その怪談説法のきっかけは――、なんと「暴走族」だというのだ!
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私が怪談説法をはじめたきっかけは“暴走族”なんですよ。暴走族を前にして「ちょっと止まれ、みんなちょっと聞いてくれ!」みたいな。彼ら、仏教徒ですから。背中などに「天上天下」「唯我独尊」ってありますから(笑)。
しかし、お経の話をして、「唯我独尊って意味知ってる? お釈迦様が生まれて一番最初に発した言葉やで」みたいな話をしても、「うるさい!」と言って聞いてくれない。そこで、怪談の話をしたんですよ。そしたら、その暴走族の総長をはじめ、みんな真剣な顔で聞いてくれて、自分たちの身の上話なんかもしてくれましたね。
おばけが、心霊写真に写ったり、いろんな音を出したりするのは見てほしいから。「訴えたいことがあるよ」って。暴走族の子たちもね、世の中に対する反抗心などもあるでしょうけど、実は見てほしいんですよ。大きい音を出していると、パトカーが追いかけて来てくれる。そんなとき、「パトカー来てるな」って思うんですって。
これは私たち大人も同じで、「存在証明」をしないとしんどい。SNSが発達するのも、存在証明をしたいから。そういう面では、心霊も生きてる人間も同じなんですよね。
■家出したら誘拐されかけて…
さて、そんなわけで、暴走族をきっかけに「怪談説法」をするようになったわけですが、今回も一つ、心霊現象にまつわるお話をしましょう。
私は子どもの頃、「家出をする」というマイブームがあったんですよ。親と喧嘩して家出をすることが、なんか自分の中で大人になった気もして、何かにつけて親に因縁をつけまして。「もう帰ってきいひん」とか言って、玄関出たところにある雨どいに座ったりしながら小一時間したら家に帰るんです。
で、あるとき、家出して玄関の外にいたら、ある男性がやって来ました。すると、「おもちゃ買ってあげるから、一緒に行こう」とか言って、すっごい私のことを引っ張るんですよ。
なんとなく怖くなって、ワ~ッと泣き出したら、その人が私の手をパッと離して逃げて行きました。まあ、誘拐されかけたわけですね。