■美少女から脱却した広瀬すず

 それと同時にこの2話は、女優・広瀬すずが、大人の女性を演じた初めての瞬間だったともいえる。現在21歳の広瀬は、これまで映画『ちはやふる』シリーズをはじめとした青春モノに多数出演し、ヒロインを務めてきた。また、2015年の映画『海街diary』や17年の『三度目の殺人』のようなシリアスな作品でも、可憐な少女役が板についていた。それゆえ、ここまでしっかりした「大人の恋愛」を見せるのは初めてなのだ。

 考えてみれば、広瀬が演じるヒロインのなつは、ドラマの中では20代後半という設定。自分の実年齢を超えた大人の女性を、8月2日の感情的な「動」の演技と、8月3日の優しさにあふれた「静」の演技で見事に表現した。これまでのみずみずしく爽やかな少女というイメージを打ち破り、艶やかさまで感じさせるのだから、なるほど若くしてトップ女優として君臨しているだけのことはある。今後、広瀬すずには、どんどん大人の女性を演じてほしいものだ。

『なつぞら』は美少女として名を馳せた広瀬すずを、大人の女性に脱皮させた作品と、今後は評価されるだろう。放送は残り2か月を切ってしまったが、クライマックス回を目のあたりにし、今後の放送がさらに楽しみになった。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

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