■大泉洋とのやりとりが好評
真希は君嶋隼人の妻で、鬼嫁ともいえる強気な女性だ。この放送でも「根性腐ってんじゃないの」と大泉が演じる隼人をののしる「見せ場」が用意されていた。毎回のように彼女は隼人にキレたりと、必ず「見せ場」がある。チクチクと口で隼人をいたぶる毒舌ぶりが、実に面白いのだ。松たか子の毒舌肝っ玉母ちゃんぶりは、すっかりドラマに欠かせないものとなっている。
松たか子といえば説明の必要がないほどの人気実力派女優。最近は話題作『カルテット』(TBS系)に主演するなど、まだまだラブストーリーでも主役級を演じられることを証明しているだけに、『ノーサイド・ゲーム』の鬼嫁は新境地といえるだろう。隼人や子どもを叱りつける姿は実に堂に入っていて、これから彼女が母親役として活躍することを予感させる。現在42歳だが、意外にも母親役のイメージはなかった。このドラマで松たか子は、新たなキャラを手に入れたといってよいだろう。
松たか子が、木村拓也(46)主演の『ロングバケーション』(フジテレビ系)で注目されたのが1996年。あれから20年以上が過ぎてもヒロインを張れるわけだが、母親役という武器を手に入れれば、女優としての評価はますます高くなるはずだ。『ノーサイド・ゲーム』は女盛りを迎えた女優・松たか子の新しい一面が見られる作品としても要注目なのだ。(ドラマライター・半澤則吉)