戸田恵梨香
戸田恵梨香

 連続テレビ小説なつぞら』(NHK)が最終回を迎え、『スカーレット』がスタートした。広瀬すず(21)の演技がなかなか好評だっただけに、『スカーレット』のヒロイン、戸田恵梨香(31)がどんな演技をするのか、注目が集まる。

『なつぞら』は朝ドラ100作目と話題になったが、振り返ってみるとかなり「仕事」に焦点を当てた、実に朝ドラらしいドラマだった。アニメ業界の黎明期から、アニメ文化が成熟していく様子が丹念に描かれていたのだ。ヒロインのなつ(広瀬すず)たちが制作したアニメ『大草原の少女ソラ』が『アルプスの少女ハイジ』(フジテレビ系)をモデルとしているなど、実際のアニメとのリンクも多く、アニメファンまでも魅了した。

『なつぞら』の前作『まんぷく』のヒロイン福子(安藤サクラ/33)は、発明家の夫、萬平(長谷川博己/42)を支える女性だった。それだけに、なつの「働く女性」という印象は、より強く感じられた。アニメーターという職業の激務ぶりや、子どもを預かってくれる場所を必死で探す姿など、「働く女性」の話だからこそ描かれるエピソードも多く、共感を得た人も多いのではないだろうか。

 そして『スカーレット』もまた、面白い“お仕事ドラマ”になる可能性が大だ。というのもヒロインの喜美子(戸田恵梨香)は信楽焼の女性陶芸家という設定で、そもそもの職業がはっきりしている。脚本は、ドラマ『夏子の酒』(フジテレビ系)『みかづき』(NHK)など、「働く女性」が新たな道を切り開くため奮闘する姿を描いてきた水橋文美江氏だけに、『スカーレット』も仕事が大きなテーマになるだろう。

 また、実は『スカーレット』のヒロイン、喜美子にはモデルがいるといわれている。それが、女性陶芸家、神山清子氏だ。自然釉薬を使用した古信楽を再現するなど、陶芸家として活躍。女は窯場に入れないという陶芸界の古い因習を打ち破った人物で、女性陶芸家の旗手となった。

 さらに神山氏は、骨髄バンクを立ち上げる活動に尽力した人物でもある。『スカーレット』が神山の人生を参考にしているなら、物語はただの陶芸家の話にとどまらず、世の中を動かした1人の女性の一代記となるはずだ。

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