■その瞬間だけは頑張ろう

ゆま「ちょっと待って(笑)。私、他にもいろいろと、くまださんに聞きたいことがあるんです」

くまだ「申し訳ございません。聞きましょう」

ゆま「あの、くじけそうになるときってあります?」

くまだ「いやあ、ゆま先生。私も吉本の養成所に入っていた頃は……」

ゆま「やっぱり、つらいときがありました?」

くまだ「いやあ、申し訳ない。一度もスベった記憶がないんでございます~。はい、挫折というものを味わったことがございません」

ゆま「ええ!? なんか、すごいんですね」

くまだ「(小声で)改めまして、俺、すごいんです」

ゆま「じゃあ、ステージに立つときも緊張しない?」

くまだ「さすがに劇場に毎回、出させてもらっていますからね……毎回、緊張しています」

ゆま「ほんとかなぁ」

くまだ「いや、これは本当に。どんなに小道具を用意していても“ウケるかなぁ”という不安ばかりです」

ゆま「そうなんですね~。私も、とにかく緊張しちゃうほうなんで。くまださん流の緊張を乗り越える方法とか、ありますか?」

くまだ「ゆま先生~。ちょっと格好いいことを言っていいですか? とにかく、その瞬間だけは頑張ろうと思っています。先のことなんか、神様にしか分からないし、自分の力では、どうにもできないことが多いんです。だから、今日一日を一生懸命やる」

ゆま「今、私、めっちゃ心が震えました。本当に、そうですよね。今、目の前にある仕事をとにかく頑張る。そう思えば、緊張を乗り切れる気がします」

くまだ「いやあ、柄にもなく格好いいこと言っちゃって、ごめんなさいね~」

ゆま「あ。プレゼントは、もう大丈夫ですからね」

くまだ「いえいえ、ゆま先生。最後に一つだけ、お願いを聞いてもらってもよろしいでしょうか?」

ゆま「何だろう(笑)」

くまだ「ハ、ハグさせていただけないでしょうか?」

ゆま「アハハ。喜んで」

くまだ「くぅ。おピンクな気持ちでいっぱいになりました。最高のプレゼントをいただきました」(おわり)

くまだまさし 1973年7月26日生まれ。東京都出身。1996年、吉本興業の養成所であるNSC東京校に入り、芸人としての活動を始める。主に家族の協力で製作された小道具を使用した芸を披露する。今までに立ったステージ数は吉本の中でも随一。

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