■時代に合わせて進化してきた木村拓哉

 00年の『ビューティフルライフ』や『HERO』シリーズ(ともにフジテレビ系)は、彼の見せたスタイルそのものが若者を熱狂させ、社会現象まで巻き起こした。そう、ドラマの中のキムタクはいつだってキムタクであり続けるため、かっこいいを「キープ」するのではなく、時代に合わせて「アップデート」し続けてきたのだ。

 今回の尾花役も髪型、服装、そして、その強気で不良っぽいもの言いも、すべてが注目されること確実だ。第1話でも、少しも古くさくない、キムタクの今のかっこよさを感じた。これは役作りというレベルをすでに超えている。「かっこいい」のアイコン、キムタクであることを常に求められてきた、一流アイドル出身のカリスマだからこそできるアップデート能力なのだ。

 93年の『あすなろ白書』(フジテレビ系)でただのアイドルではない演技派の地位を確立し、96年の『ロングバケーション』(フジテレビ系)で世を虜にし、2000年代は前述の日曜劇場ほかの名作に続々出演。まさに平成ドラマはキムタクとともにあったといっても、過言ではない。はたして、令和の世はどうか? 『グランメゾン東京』で見せるキムタクのアップデート力が、日本のドラマをさらにアップデートさせるに違いない。(ドラマライター・半澤則吉)

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