■女の子は夢よりも恋愛に夢中になる

ゆま「マリックさんはその頃から、マジックをされていたんですか?」

マリック「はい。マジックとの出合いは中学2年のときでした。転校生がやって来て、たまたま空いていた僕の隣の席に座ったんです。この転校生がマジックの天才でね。テレビにも出たことがあったんです」

ゆま「じゃあ、その転校生がいなかったら……」

マリック「そう。本当に人生って運命的ですよね。僕は彼のことを本当に尊敬して、隣の席なのをいいことに、毎日のようにマジックを教えてもらいました。今でも思いますよ。あのとき、僕の隣の席が空いていなかったら、マジシャンになっていなかっただろうなと……」

ゆま「中学生のときには、すでにマジックに夢中だったんですね」

マリック「時期的にもちょうど良かったと思います。自分は将来、何になりたいのか真剣に考え始める時期に、夢中になれるものが見つかったんですから」

ゆま「男の子って夢に向かって真っすぐ進む気がします。女の子はちょっと遅いというか、夢よりも恋愛に夢中になっちゃうんですよね(笑)」

マリック「女の子はね、つきあう男次第ですよ」

ゆま「アイタタ。実は私、中学の頃、歌手になりたくてオーディションを受けて、一次は受かって二次面接のとき、当時の彼がデートに誘ってきたんです……ホント、バカです。彼を選んでしまったんですよね(笑)」

マリック「アハハ」

ゆま「すみません、私の話をしちゃって。その後、マリックさんはマジシャンになられたんですよね」

マリック「と言っても若い頃は、デパートなどで実演販売をしていました。お客さんの前でマジックを披露して、マジックのグッズを買ってもらうんですが、なかなか難しい。もちろん、グッズが売れなかったら、一円にもなりません」

ゆま「うわあ、大変そう」

マリック「あとは当時、ナイトクラブやキャバレーなども多かったので、そこでマジックショーをさせてもらっていました。ただ、時代とともに、こういうお店がどんどんなくなっていったんですね」

ゆま「収入も減っちゃう?」

マリック「ええ。マジックをする場所がない。そんなとき、当時まだ誰も目をつけていなかった高級ホテルのラウンジでショーができないかと思い立ったんです……」(つづく)

みすたーまりっく 1949年、岐阜県岐阜市出身。1988年、日本テレビ系の番組『11PM』で超魔術師としてデビュー。それ以降、数々のテレビ番組に出演し、超魔術ブームの火つけ役となる。決め台詞は「きてます!」や「ハンドパワー」。超魔術誕生30周年を迎え、TVや舞台以外にも書籍の出版など、幅広く活躍している。近著に『超魔術の裏技術』(ワニブックス刊)がある。

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