■“絶対王者”羽生にとって「唯一無二」の存在
長きにわたって“絶対王者”として君臨してきた羽生にとって今、誰よりも必要な存在がネーサンなのだ。
「羽生は敗北を喫した3月の世界選手権直後のインタビューでも、ネーサン選手について“超えたい存在がちゃんと出てきてうれしい。芸術と自分のこだわりをつめこんだうえで、技術力でも完全に勝ってやりたい、という昔から自分がもっている血が湧き出している感じ”と熱く語っていました。
長い間トップを走る続けるアスリートにとって、もっとも難しいことが、それでも自分を律し、さらに上を目指すためのモチベーションを維持することでしょう。五輪2連覇という66年ぶりの歴史的偉業を達成した羽生は今、ともすればそれがとても難しい状態ですが、ネーサン選手はそんな彼を奮い立たせている貴重な存在なのです」(前出のスポーツライター)
羽生は来月のグランプリファイナルで優勝すると、単独で世界最多の5度目の優勝となる。
「実は現在までの優勝4回は、羽生がかねてから憧れと公言するエフゲニー・プルシェンコ(37)と並んでいる。羽生の今季のフリープログラム『origin』は、プルシェンコ氏の伝説のプログラム『ニジンスキーに捧ぐ』へのオマージュですから、これでプルシェンコ氏の記録を超える“新たな伝説”を打ち出すことができるのか? 注目ですよ」(前同)
来月のグランプリファイナルで生まれるかもしれない新たな“羽生伝説”。今から期待せずにはいられない。