■2月21日 漱石の日 尾野真千子

 文部省からの「文学博士の称号を送りたい」との打診に対し、夏目漱石が「肩書きは必要ない」と断わりの手紙を送ったのが1911年のこの日だったことが由来。

 漱石と言えば日本を代表する文豪だけに、彼自身をモデルにした映画やドラマは多数作られている。ここでは、2016年にNHK総合土曜ドラマ枠にて放送された『夏目漱石の妻』より、漱石の妻・夏目鏡子を演じた女優の尾野真千子をピックアップしてみよう。

 1981年生まれの彼女は、1997年の映画『萌の朱雀』がデビュー作。過疎化が進む村を舞台にした本作のロケハンのため、監督の河瀬直美が訪れた奈良県の村で、偶然、中学生だった尾野に目を留め、主演に抜擢したというドラマティックなエピソードが知られている。

 本作はカンヌ国際映画祭でも高く評価されるなど世界的な注目を集め、恐らくはその後の尾野の進路に大きな影響を与えることになる。2000年、高校を卒業した尾野は女優を志して上京。

 それから7年後に再び河瀬直美監督の『殯の森』に主演し、カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリを獲得する。以降もNHK連続テレビ小説『カーネーション』、民放ドラマ『最高の離婚』(フジテレビ系)、『極悪がんぼ』(フジテレビ系)などで抜群の存在感を発揮している。

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