■『知らなくていいコト』は不幸な結末?

 話をキスに戻そう。尾高のキスシーンは、いきなりではあったが流れ的には予想内。しかもかなり状況が重い。その前に同じ場所で、尾高は妻子、そして義理の母と家庭サービスを楽しんでいたからである。ケイトが見立ててくれたものの、買ったままにしていたコーヒーメーカーでコーヒーを入れる妻を見る尾高。これだけでも少しゾッとしたのに。ケイトが持ってきたワインを飲みながら「これって不倫?」などと語り合い、「踏みとどまらなければ」と言いつつのキスはかなりマズい。

 夜中にワインを持って訪れるケイトも、間違いなく確信犯である。二人ともゲスの極み。が、そう言い切れない切なさが漂う。昨今、過熱する不倫報道とリンクし、なんとも複雑な気持ちにさせられてしまうのだ。「ケイトと共に、週刊誌の使命、マスコミの使命とは何かを考えてみたいとも思っています」。脚本家・大石静氏は公式サイトでコメントしていたが、そのとおり考えてしまった。

 同じ不意打ちキスでも、余韻が全然違うこの2本。予告を見ると元カノらしき女性が登場するが、ハッピーエンドの予感しかしない『恋はつづくよどここまでも』。一方の『知らなくていいコト』の予告では、ケイトが女性に腹を刺されており、助かるだろうがそれでも嫌な予感しかしない。後半戦は、どんな驚きの展開が待ち受けているのだろうか。罪な男たちに揺さぶられるヒロインを、ドギマギしながら見守りたいと思う。

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