ペッパーボーイズと麻美ゆま(右)
ペッパーボーイズと麻美ゆま(右)

 今回の『あなたに会いたい』は、お笑いコンビ・ペッパーボーイズさんです。このお二人は、とにかくキャラが面白いんです。まず、ツッコミ役の前田かずのしんさんは、立派なヒゲも生やされていますが、実は元女性。言われないと気づかないですよね。一方、ボケ担当の石本しょーきさんは超のつく天然キャラで、これまで、ありとあらゆるバイトをクビになっているそうです。そんな異色のコンビは今、お笑い界でも注目の的。さっそく、その実態に迫ってみました!

石本「すみません……お忙しいところ……」

ゆま「いえいえ! それは私のいう言葉です。こちらこそ、お忙しいところ、お時間を取っていただいて、ありがとうございます」

石本「はあ……。じゃあ、ゆっくりします」

ゆま「あ、はい(笑)」

前田「石本は自分の頭の中で思いついたことを、そのまま口にするので、あまり気にしないでくださいね」

ゆま「アハハ。でも、私は石本さんに近いものを感じるんです。星で表すと、近隣の星みたいな」

石本「あ~、なるほど! つまり、宇宙飛行士になったら、たどり着けますね」

前田「いや、違う。今の話だと、ゆまさんもお前も“星”なんだから、宇宙飛行士にはなれないんだ」

石本「……そっか」

ゆま「いいですね~。このバランス感。天然の石本さんをしっかり者の前田さんがフォローされていて。コンビ歴は長いんですか?」

前田「ペッパーボーイズは4年前に結成したんですが、石本と僕は高校時代からの知り合いなんですよ」

石本「だから、僕は彼(前田さん)が女子高生の頃から知っているんです」

ゆま「へえー。前田さんは見た目も男性そのものですけど、高校時代は、どんな感じだったんですか?」

前田「セーラー服を着ながらも、スポーツ刈りでしたからね」

石本「だから、女の子っぽくないというか、スポーティでした」

ゆま「いきなりソッチのお話を聞いちゃいますけど、前田さんはどうやって、そこまで男性的になられたんですか?」

前田「どんどん聞いてください。僕は18年に性別適合手術を受けているんです。そのほか、男性ホルモンの注射を打っているんですよ。僕は物心ついた頃から、体は女性なのに、自分の心は男性だと思っていたんです。なので、東京に出たら、男性ホルモンの注射をしようと思っていましたね」

ゆま「そうなんですね。戸籍上も男性に変更されていると聞いたんですが……」

前田「ええ。去年の1月11日に変更しました。約1年前ですね。ただ、それ以前から“オニィ芸人”として活動していたので、みんな知っていましたよ」

ゆま「隠していたわけでもないんですね」

前田「全然」

石本「あのぉ~」

ゆま「はい、どうされました?」

石本「彼は男性だけど、料理がめちゃくちゃうまいんです。涙は出ないけど、ウルッとくる味なんですよ。涙は出ないんですけどね」

前田「だったら、ウルッとくる味だけでいいだろ」

ゆま「アハハ。前田さんの料理では、何が一番おいしかったですか?」

石本「卵焼きです。お母さんの味がするんです」

前田「嘘つけ! お前に卵焼きを作った覚えはない」

石本「あれ? あまり甘くない卵焼きじゃないの?」

前田「まあ、甘くはないけどさ。お前に作ったのはポテトサラダじゃなかったか」

石本「そうだっけ。あまり覚えていないです」

ゆま「アハハ。いいなぁ、ほんと、仲良しですよね」

石本「本当においしいんですよ。料理が」

ゆま「食べてみたいなぁ。前田さんはずっと料理を勉強されていたんですか?」

前田「僕は子どもの頃から、おばあちゃんに“花嫁修業”をさせられていたんですね。だから自然と台所に立つ時間も長くて。そのうちに、料理の楽しさを知って、今に至る感じですね」

ゆま「花嫁修業!? 私こそやらなきゃ、ですよ。裁縫も得意と聞いていますよ」

前田「そうですね。マネージャーの破れたズボンは頻繁に修理しています」

ゆま「いいですねー。男性でありながら、そうした女性的な一面もあって」

石本「はい」

前田「お前が返事をするんかい!」

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