■女性をターゲットにした戦略

「田中は当初から、女性をメイン購買層だとターゲティング。メディアへの露出やインスタグラムの運用も非常に周到に行ったんです。女性から高く支持されているランジェリーデザイナーのイェガー千代乃・アン氏との関係を見せて、女性にも写真集に興味をもってもらおうとしていましたよね」(前出のグラビア誌編集者)

 田中は、2019年11月15日にインスタグラムで「今回の写真集で着用しているランジェリーの多くが、プライベートでも愛用しているChiyono Anne。千代乃ちゃんとは共通のお友達を介して仲良くなって、以来、ランジェリーはもちろん、happyで柔らかく、力強い彼女の人柄の虜です」と投稿。アン氏との関係を明確にして、アン氏のブランドの下着を着用したカットが入っていることもアピールしている。

 グラビア誌編集者は話す。

「宣伝を目的に、発売前後に写真集関連のカットを雑誌などに掲載されるいわゆるパブも、男性週刊誌にはほとんど出さず、断られた媒体も数多くあったそうです。これも女性をメイン購買層に据えていたからでしょうね」

 徹底した計算を経て生まれた歴史的なヒット。そこには田中の哲学があるという。

「田中が好きな言葉は“勝てる”だと言います。自分が“勝機あり”と思ったことにしか手をつけないそうです。予定されていたスタイルブックも企画を進めようとしたものの、現時点では、勝機がない、と田中が見切りをつけたのではないかと思われます」(ファッション誌編集者)

 たしかに、勝てない勝負に手を出さない、というのは古今東西に共通する鉄則。ただ、田中の哲学に泣いている人もいる。

「写真集に比べると売上が落ちるかもしれませんが、スタイルブックも億単位の売上になったのは間違いないでしょう。当然、出版を予定していた版元は戸惑っているはずですよ」(前出のグラビア誌編集者)

 常に、どうやって勝つかを考え続けているという田中。次の計画も彼女の頭にはすでに生まれているに違いない。

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