本田翼
本田翼

 芸能人の“テレビ離れ”が、加速している。「今や習慣的にテレビを視聴しているのは、高齢者が中心。若年層はあまりテレビを見なくなっています。かつて業界で“ドル箱”といわれたF1層(20〜34歳の女性)も、テレビから離れていってしまいました」(放送業界関係者)

 一方で、ネット動画やネットフリックスなどの動画配信サービスの利用は、増加の一途をたどっている。こうした状況を受け、芸能人たちがテレビから逃げ出し始めているという。「動画投稿サイトのユーチューブに進出しているんです。コンプライアンスや、芸能事務所同士のツバ競り合いなど、“業界ルール”に縛られるテレビが息苦しくなっているのは事実。加えて、ギャラや制作費は削られる一方。若いテレビマンや放送作家たちの人材流出も止まりません」(前同)

 “不倫したら一発退場”という風潮も、タレントたちに嫌気を起こさせている。「その点、ユーチューブはテレビよりも自由。タレントがやりたいことをやれるのが魅力なんです」(ウェブ誌記者)

 ユーチューブで活躍する人を“ユーチューバー”と呼ぶが、数年前までは、芸能人の多くが「ユーチューバーは素人」とバカにしていたという。「ところが、お笑いコンビ、キングコング梶原雄太(39)が“カジサック”と改称してユーチューブに挑戦。大成功を収めたことで、タレントたちの目の色が変わったんです。“ユーチューバーは稼げる”と気がついたんですね」(前同)

 梶原がユーチューブから得る月収は、約2400万円(金額は推定。大手IT企業が開発したユーチューブ分析ツールで算出=以下同)。年間、約3億円を稼ぎ出す計算になる。「動画に挿入されるCMから広告収入が入るんです。自分のチャンネルにどれだけファンがいるか、動画がどれだけ再生されたかで、金額が決まります」(同)

 これだけ儲かるのなら、黙っていられないだろう。「ユーチューブを事業の柱の一つとする芸能プロも出てきました。また、テレビを干されたタレントの“復活の場”としても利用されています」(芸能記者)

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