かといって、子役時代のイメージのままでは、俳優として仕事を続けることは難しい。世間のイメージと、成長した身体と、自身の商品価値と、アイデンティティと。その間で絶妙なバランスをとりながら、独自に道を切り開いていかなければならないはずだ。

 福原もまた、今が模索期なのだろう。番組は福原を「ただいま少女と大人の真ん中あたり」と紹介する。彼女自身も、こう語る。

「まいん終わってから、結構悩んで。この先なにやってくんだろうなって、すごい考えてた時期だったので。これが一番の強みですっていうものがあると思ってないんで。それを早く見つけたいなというか」

 福原は今年、歌手活動に力を入れるという。この3月にも新曲「透明クリア」を発表した。番組は後半、新曲の制作過程にも密着する。詞を書くにあたり「福原の今を知っておきたい」と、作詞家が彼女に質問を投げかけるシーンがあった。

 やってみたい役はないですか? 少し夢が漠然としているので、もっと絞ってみてくれませんか? 彼女の頭の中を、胸の内を聞き出そうとする。

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