窪田正孝
窪田正孝

 連続テレビ小説エール』(NHK)がスタートして、早くも2週間が過ぎた。2週目までは主人公、古山裕一の子ども時代が描かれ、主役の窪田正孝(31)が活躍するのは3週目以降だが、第2週でも視聴率が20%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)を超えるなど出だしは好調だ。

 SNSでは早くも「絵にもかけない美しさ……特に指先っていうか」「白シャツ似合いすぎで、最高の朝確定ッ」などの声があがっている。これらは、窪田正孝が登場するオープニングに寄せられたコメントだ。タクトを振る窪田の姿に魅了されているファンは多いようで、ドラマにほとんど登場していないのに、すでに多くのファンを虜にしている。

 窪田正孝は2014年の朝ドラ『花子とアン』で、ヒロインに想いを寄せる幼なじみ、朝市役で知名度をあげた。その後は民放ドラマでもブレイクし、榮倉奈々(32)主演のミステリードラマ『Nのために』(TBS系)など、さまざまなドラマのメインキャストとして活躍。近年は18年『ヒモメン』(テレビ朝日系)のダメダメでアホな男役が話題になった。

 かと思えば13年に藤原竜也(37)、岡田将生(30)がダブル主演したドラマ『ST 赤と白の捜査ファイル』(日本テレビ系)の黒崎勇治役のような、無口で武闘派というイケメン役もしっかりこなしてみせる。幅広い演技で、世の女性をキュンキュンさせてきたのだ。

 そして今回の『エール』への主演抜擢だ。マルチな演技力を持つ窪田だが、今回の起用には成功しかイメージできない。その2つの理由を紹介しよう。

 まず、今回の古山裕一役が、どう考えても窪田正孝にハマっているということ。子ども時代は子役の石田星空が好演しているが、気弱ないじめられっこでどこか陰があるキャラを窪田が引き継ぐと思うと、それだけでゾクゾクする。前述の『Nのために』の成瀬役や、ヒットドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の六郎役など、色気がありながら少しミステリアスという男を演じさせると、窪田は絶品なのだ。天才肌の音楽家という裕一役は、楽しみでならない。

 裕一のモデルとなった昭和の大音楽家、古関裕而には、太平洋戦争時に自分の曲で戦地に送られていく兵隊たちに切ない想いを持っていたという逸話も残っている。戦中戦後が描かれる今作では、昭和の華々しい音楽の世界はもちろん、裕一の葛藤や苦悩する姿も大きな見どころとなるはずで、窪田が見せる芝居が今から楽しみだ。

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