■実は読書家の兼近

「5月23日のりんたろー。の公式『note』では、りんたろー。の妹が兼近に3冊、本をプレゼントしたエピソードが語られていましたが、りんたろー。によると兼近は、“活字とのチャラつきにはこだわりのある”“言葉(描写)のきれいさにこだわる”そうです。

  兼近にプレゼントした本は、雨宮まみ氏のエッセイ『東京を生きる』(大和書房)、社会学者の岸政彦氏のエッセイ『断片的なものの社会学』(朝日出版社)、太宰治賞を受賞した今村夏子氏の小説『こちらあみ子』(筑摩書房)。エッセイ2冊にも”おぉ~”と喜んでいた兼近ですが、『あみ子』には、”うわ! これ読みたかったやつ!!”と、大喜びしていたとか。『あみ子』は、風変わりな少女の行動が周囲の人間に影響を与えていく姿を描いた小説で、兼近が好きな村田沙耶香氏の『コンビニ人間』(文藝春秋)に近いところがあるのでは、とりんたろー。は『note』で考察していますね。

 また、19年8月24日の『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)で兼近は、ピース又吉直樹(39)のエッセイに“こんな面白いこと書ける芸人さんってスゲェな”と感銘を受けたのが、芸能界入りするきっかけになったと話していました。実は読書家なんです」(前出の女性誌記者)

『メレンゲ』では、読書をするようになったのは20歳過ぎだったという。幼少期、兼近は経済的に困窮している家庭で育った。妹の生活や学費を優先するために、定時制高校を中退した話は有名だが、2月27日の『笑下村塾』でのインタビューでは、

「俺にしたら(映画)「万引き家族」は“あるある”だらけでした」

「(ドラッグ問題について)知る過程が普通とは逆だったんです。中学生くらいの時に聞いて「薬物って、あれのことじゃん。ダメだったの?」って知った。俺はやっていなかったけど、やっている人は薬物から抜けようとも思っていない。悪いことだと理解した上で「だから何なんだ」「それを止めたところで、別の世界で受け入れてくれるのか?」という話だから」

 と、想像以上に壮絶な環境で育ったことを明かしている。同時に、そうした世界から脱出できた理由に「ラッキーだったのは、小さい頃から親に優しくされていたし、助けてくれる人もいたので、落ちるところまで落ちていなかった。愛を知っていたということです」と、親への感謝の念を話していた。

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