清原果耶
清原果耶

 2021年度上期の連続テレビ小説おかえりモネ』(NHK)のヒロインに、清原果耶(18)が決定した。「満を持して」。この言葉がしっくりくる。

 清原果耶といえば、15年の朝ドラ『あさが来た』のふゆ役で認知度を一気に高めたが、あのときまだ13歳だったとは……。ヒロインの波瑠(28)と大女優、宮崎あおい(34)すら食う勢いの堂々とした演技に、日本中の中高年が夢中になった。ふゆに思いを寄せる番頭、亀助を演じた三宅弘城は当時47歳。この超トシの差もまったく気にならず「おふゆちゃんはしっかりしているから、亀助さんは尻に敷かれる」とまで思わせた、透明感あふれる貫禄はすごかった。

 生田斗真(35)主演のドラマ『俺の話は長い』(日本テレビ系)も、忘れられない1本だ。清原は主人公の姪、春海役。あのドラマがすごかったのは、生田と清原の口論シーンが多いにもかかわらず、それでもまったく間延びしなかったことである。

 風景の珍しさや展開の奇抜さに頼らず、ひたすら会話のテンポの良さが心地良かった。演技力がない俳優がやると、苦痛な駄作で終わっていたはず。長い長いせりふを、10代の女優がよくぞあれだけ自然に、しかも表情豊かに言えるもんだと、毎回、舌を巻いていた。

 清原の演技力は、同業者も感動させている。2019年公開の映画『デイアンドナイト』では、プロデューサーを務めた俳優の山田孝之(36)がオーディションで清原をヒロインに抜擢したが、その演技を見て山田は喜びのあまり泣いてしまったという。

 NHKの秘蔵っ子と言われるだけあり、初主演となった『透明なゆりかご』『放送90年 大河ファンタジー 精霊の守り人』『螢草 菜々の剣』『なつぞら』と、NHKドラマでスクスクと才能を伸ばしている。『おかえりモネ』の脚本は、『透明なゆりかご』でタッグを組んだ安達奈緒子氏。互いの信頼感もうかがえるし、面白くならないわけがない!

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