■ただのオマージュでは終わっていない
このように「リメイクはもう難しい」と思われていた、その時代を反映した懐かしの刑事ドラマをほんのりと思い出させ、さらには、昔なら嫌味なマスコミがやるべき役割に、ユーチューバーをモデルにしたナウチューバー(渡邊圭祐/26)を投入するなど、イマドキネタも踏襲。SNSの追跡や防犯カメラの映像解析を担うスパイダー班、糸巻の「睡眠時間削ってる感」もリアル。演じる金井勇太(35)が良い味を出していて要注目である。
また、刑事ドラマファンとして楽しみなのが、機動捜査隊の描かれ方だ。そもそも機動捜査隊という部署は1959年、警視庁刑事部捜査一課に「初動捜査班」という名で設置され、61年この部署をモデルに『特別機動捜査隊』という名でドラマ化され、空前の大ヒットとなった。当時の警視総監がこのドラマの大ファンで、部署の名前を「初動捜査班」から「機動捜査隊」に改称したという、いきさつがある。地味なようで、実は事件のスタートダッシュを担う熱いネタの宝庫。それが機捜なのだ。
いち早く現場に駆けつけるも「さあ、ここから事件解決!」と盛り上がってきたところでバトンタッチしなければならないフラストレーションも交え、どう描かれるのかとても楽しみだ。(田中稲)
※画像はTBS『MIU404』番組公式ホームページより