■車に乗っている際も要注意
意外に、その危険性が見落とされがちなのが車に乗っている際、豪雨に遭遇したケースだ。このまま目的地まで進むべきか、それとも車を降りて安全な場所で待機するべきか、どう判断したらよいのか。「タイヤの半分以下が水につかる程度なら進んでもいいでしょう。ただ、半分以上が浸水すると、まずマフラーに水が入ってエンジンがかからなくなる。エンジンを吹かし続け、水が入らないようにしてください」
だが、トンネル内やガード下のアンダーパスなど、周りより低地になっている場所は水が集まり、想像以上に水深があるケースも。「タイヤ全体が水につかるくらいになると、エンジンルームが水に浸かり、電気系統がショートして動けなくなってしまうので、即、Uターンしてください」
それでも、水の深さを見誤って侵入してしまい、車が立ち往生したら、車を乗り捨てて自力で脱出するしかない。だが、ひとたび水没すると、窓を開けられなくなる可能性が高い。「今はほとんどの車がパワーウインドウ。電気系統がダメになっているので、あとは窓を割るしかありません。よく傘の先端で窓を割ろうとする人がいますが、そういう状況で窓を割る実験では、脱出用のハンマー以外に割れるものはありませんでした」
命綱となるハンマーを必ず車載すべきだという。「ただし、ハンマーで窓が割れても、慌てて脱出しないことも重要です。割れたガラスで体が傷だらけになる恐れがあるからです。焦らず、安全に脱出できるまで待ちましょう」
命に関わる集中豪雨に備えて、この10か条を心にとどめておいてほしい。