■昼ドライバー・キバ!?
『キバ』は、ファンから「昼ドライダー」と呼ばれることもある、恋愛劇も見どころの作品だった。渡は恋や友情を通じて人間的に少しずつ成長してくのだが、
「再開した幼なじみの登太牙(山本匠馬)が、実は異父兄弟で、しかもファンガイア(敵)の王だった」
「渡と両想いの女性(正体はファンガイアの女王)が太牙の婚約者で、三角関係の果てに幹部キャラに謀殺される」
といった、まさに昼ドラと呼ぶほかないシリアスな展開が多く見られた。
「ただし、サービスシーンも豊富(笑)。瀬戸は当時20代前半ですが、入浴シーンが何度もあったり、オープニングの演出でも上半身裸でバラの花びらのなかから起き上がる描写もあったり。ステンドグラス風のデザインや、バイオリンの音楽などなど、全体的にゴシックホラー調で耽美的な作風でした。
放送時は過去編と現代編が交錯する作風が分かりづらく不評でしたが、現在では“一気見だとわかりやすくて面白い”と再評価されています。DVDに未公開シーンが収録されていて、説明不足な部分が補完されているのも大きいですね」
瀬戸が登場するシーンではないが、合コンに参加していた怪人が同席の女性を文字通り“捕食”して殺害した際は、事情を知らないメンバーが「あの女はどうした?」と聞いた際に「……喰っちゃった」と返し、「お前、なかなかやるな!」とプレイボーイ扱いされるきわどいトークをしたり、制作側もどこか狙っているフシがあった。