■池井戸潤も黒崎のファン!?
また、原作通りならば、黒崎は帝国航空編の物語全体を動かす、重要な役どころになるはずだ。実は、第1シリーズの愛之助の演技を見た『半沢直樹』原作者、池井戸潤(57)がそのキャラに魅了され、第5話からの原作である『銀翼のイカロス』に黒崎を登場させたという逸話がある。愛之助は歌舞伎役者ゆえの美しい立ち姿と所作でスーパーエリート黒崎を体現しているが、その彼をイメージして原作者が書いたという帝国航空編では、さらに魅力的な黒崎を見られるに違いない。視聴率も黒崎効果で、さらに上積みされることは確実だ。
悪役が好かれるドラマはウケるという話がある。最近では昨年の同じ日曜劇場『グランメゾン東京』(同局系)で、尾花(木村拓哉/47)のライバルとして登場した丹後(尾上菊之助/43)が印象的だ。キムタク演じる尾花をさしおいて丹後を応援するファンも多く、放送後にも「丹後シェフがとくに好きでした」とSNSで名前があがっていた。結果、ドラマも最終話は平均視聴率16%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)超えの大ヒットだったことは、記憶に新しい。
大和田(香川照之)と伊佐山(市川猿之助/44)といった腹黒すぎるキャラだけでなく、黒崎というエリートのライバルがいることが、本作をより重厚で、面白いものにしているのは間違いないだろう。国民的ドラマ『半沢直樹』第2シリーズは、黒崎がスポットライトを浴びるこれからが本番だ!(ドラマライター・半澤則吉)