■箕部への倍返しじゃ物足りない?

 銀行側の黒幕・紀本常務や、帝国航空のタスクフォースチームとして半沢を目の敵としている乃原(筒井道隆/49)ら、中ボスとの対決も見どころには違いない。しかし、半沢がラスボスの箕部を打ち負かし「倍返し」を成し遂げるシーンこそ、このドラマのクライマックスになるはずだ。

 だが、第1シリーズで平均視聴率40%越えしたおばけドラマ『半沢直樹』が用意しているラストは、そんな安易なものだろうか。筆者は単純なハッピーエンドで終わることはないと踏んでいる。

 ここで第1シリーズ最終回のラストシーンを思い出していただきたい。そう、思ってもみなかった大どんでん返しが用意されていたのだ。銀行を大ピンチから救った半沢に対し、中野渡頭取(北大路欣也/77)が下したのが、まさかの子会社への出向命令。中野渡が半沢を銀行から追放したのだ。予期せぬ命令に声を失った半沢のアップで、第1シリーズは幕を閉じた。あの背筋が冷たくなるような展開が『半沢直樹』を記憶に残る作品に昇華させたといっても、過言ではないだろう。

 今回もあのような大どんでん返しがあったら面白い! そこで注目したいのが、第8話で半沢と共闘関係を結んだ大和田だ。大和田はそもそも第2シリーズの原作となった、池井戸潤(57)の小説には登場しない。敵になったり味方になったりと、ミステリアスな存在の彼が。最後に物語をひっくり返す可能性は大いにありそうだ。

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