台風10号の影響で、一時は、小倉開催が危ぶまれた夏競馬の最終週でしたが、競馬を愛する人、みんなの祈りが通じたんでしょう。重馬場というコンディションの中、なんとか全レースを終えることができました。

 9月5日の土曜は札幌でG3札幌2歳S、日曜は小倉でG3小倉2歳Sと2つの2歳重賞レースに騎乗依頼をいただいた僕は、開催の3日くらい前から天気予報とにらめっこ。飛行機がダメなら、新幹線。新幹線が無理なら……どうしよう?  と、やきもきしっぱなし。無事に小倉にたどり着いたときは、ホッと胸をなでおろしていました。

 これで2つのレースを勝っていたら、ものすごくカッコよかったんですが、競馬の神様は、それほど甘くありませんでした。まずは、札幌2歳Sから。パートナーは、1戦1勝馬のピンクカメハメハです。馬体重のプラス20キロは成長分。太め感はありませんでした。1枠1番からコーナーワークを利して先頭へ。このままの隊列で、向こう正面あたりで息を入れることができたら、際どい勝負になるという読み通りの展開でしたが、息を入れたかった向こう正面で後続の馬に一気に襲いかかられ、万事休す。そこまでの脚が嘘のように、ピタリと止まってしまいました。力はあるけど、まだ成長途上。今後に期待です。

 翌日曜、小倉2歳Sでコンビを組んだのは、スケールの大きな走りでデビュー戦を快勝したメイケイエール。NHKマイルC、マイルCSと2つの勲章を持つミッキーアイルの初年度産駒馬です。馬場コンディションは、台風の影響で昼から降りだした雨の影響により、かなり緩めの重馬場。気性が激しく、ゲートにやや難があると聞いていたので、力まないように、ふんわりとゲートを出ました。レース前半は、手応えはバッチリ。折り合いも、まずまず。このままいけば、最後の直線で爆発するはず、と思ったそのときです。元気が良すぎて、抑えるのに一苦労。4コーナーでは大外に振られ、距離的にかなりのロスになってしまいました。

 並の馬なら、ここで勝負ありです。ところが、メイケイエールは、ムチに鋭く反応。重馬場をものともせず、ひと追いごとにグイッ、グイッと力強く伸び、ゴール直前でキッチリと差し切ってくれました。父ミッキーアイルと、武英智先生に初重賞勝ちをプレゼントした彼女の能力の高さは相当なものです。

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