むろんも岐阜タン・インフルエンサー元祖の彩夏の負けてはいない。4月12日の東海ラジオの『SKE48 1×1は1じゃないよ』、第1回放送において、「私、コレ好きなんでちょっ!」というコーナーで真っ先に取り上げたのも岐阜タンだった。といった熱狂を露知らず、ぼくも先日、初岐阜タンした。

 様々な取材で愛知に何度となく通った、この3年ばかり。岐阜タンメンはおよそロードサイド店なので、看板を見かけたことも稀だったが、車で出向いての出張時、すべて終わって各務原で押さえた宿に向かうと、すでにとっぷりと夜中で周囲に空いている店がない。不承不承入店したのだが、一口啜って、これは〈思い出したように食べたくなるヤツや〉とすぐ感じた。巧みに味精を効かした、スープのジャンク度が卓越している。

 関東のタンメンと同じく塩味だが、白菜もしくはキャベツ、豚肉のみと具材は少なく、それらを叩き付けるように炒めて風味を出し、ニンニクのパンチが効いているところに特徴がある。好みの量の「辛味あん」を入れることで、具材から来る甘味がより引き立ち、卓上の「酢もやし」を入れると、“酢ッキリ”した味わいに変わる。これが確かに常習性の高い味わいなのだ。

 おまけに福岡県の老舗製麺所に特注したという、パツパツと歯切れのよい低加水平打ち細麺の食感もたまらない。スープと絶妙に絡むのだ(店のサイトによれば、「角刃20番を1mm厚仕上げ、加水率27%」とのこと)。博多ラーメン同様、替玉システムも採用し、ガッツリ派も満足できる。ヤバい味を知ってしまった今のぼくは、思いついたら店に駆け込める彩夏らが羨ましくてしかたないのだ。

(取材・文=鈴木隆祐)

アイドル食堂

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