フジテレビとセガがタッグを生んだグループ「チェキッ娘」の“姉貴分キャラ”松本江里子【アイドルグループ「最年長メンバー」列伝vo.16】の画像
※画像はチェキッ娘『Best Memories』より

アイドルグループ「最年長メンバー」列伝

「長女タイプがたまらなく好き」「お姉さんキャラに何故かハマる」「推しはグループの年長者ばかり」……これは、そんな指向性をもつアイドルファンのための連載である。毎回1名ずつ、過去半世紀の女性アイドルグループごとに在籍した“最年長メンバー”たちの華麗なる軌跡を綴っていきたい。

第16回 チェキッ娘:松本江里子 Eriko Matsumoto

■わずか1年で散ったお台場育ちグループの姉御格

 チェキッ娘は、フジテレビのプロデューサーによる“平成のおニャン子クラブ”構想が、秋元康が任されていた家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」の広告戦略とタイアップすることで生まれたグループだ。つまり、グループがゲーム機の宣伝媒体だったのである。

 夕方の帯バラエティ番組『DAIBAッテキ!!』(フジテレビ系)にレギュラー出演していること、メンバーに新陳代謝があり、ナンバリングされていることなど、チェキッ娘にはおニャン子クラブをトレースする部分多かったが、ひとつだけ大きな違いがある。チェキッ娘は秋元康と「ドリームキャスト」の部分でつながりはあるが、詞の提供を受けていないのである。ここは、勘違いされやすいポイントである。

 『DAIBAッテキ!!』は、1998年10月5日より放送開始し、チェキッ娘は第1回のオーディションに合格した6名でスタートした。その後、翌年1月までに増員していき、最大20名に膨らんでいく。メンバーには会員番号ならぬID番号が振られた。

 当初、最年長メンバーは、ID002の下川みくに(1980年3月19日生まれ)だったが、追加メンバーのなかに、下川より年上のメンバーがいた。1980年2月29日(閏日)生まれのID016の松本江里子だ。最年長の彼女は「えり姉」と呼ばれる姉貴分キャラとして認知された。

 チェキッ娘が、『抱きしめて』という、「Я・K」ことLUNA SEAの河村隆一が手掛けたシングル曲でデビューしたのは松本加入前の 1998年12月9日。松本は、3rdシングル『最初のキモチ』(1999年5月26日発売)で、卒業した下川に代わるフロントメンバーとなっている。

 また時期は前後するが、彼女は、下川みくに(トランペット)、新井利佳(キーボード)、藤岡麻美(ドラムス)、そしてベーシストの吉田健とともにバンド「chee's」の結成メンバーであり、楽器はギターを担当していた。

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