アイドルグループ「最年長メンバー」列伝
「長女タイプがたまらなく好き」「お姉さんキャラに何故かハマる」「推しはグループの年長者ばかり」……これは、そんな指向性をもつアイドルファンのための連載である。毎回１名ずつ、過去半世紀の女性アイドルグループごとに在籍した“最年長メンバー”たちの華麗なる軌跡を綴っていきたい。
第１８回 アイドリング！！！：加藤沙耶香 Ｓａｙａｋａ Ｋａｔｏ
■フジテレビが生んだ第四の大所帯グループを牽引
おニャン子クラブ、乙女塾、チェキッ娘に続く、フジテレビ発信の多人数アイドルグループが「アイドリング！！！」である。同局のＣＳ放送で放送された番組『アイドリング！！！』から生まれた彼女たちは、メンバーの所属事務所がバラバラだという形態も過去３グループと同じだった。
上記４グループの中で、アイドリング！！！はもっとも売れたグループとはいえないが、もっとも長く活動したグループであることは間違いない。いわゆる、“アイドル戦国時代”がスタートする以前の２００６年から、２０１５年までと実に約９年間も存続したのである。
また、２００９年にはＡＫＢ４８と、「ＡＫＢアイドリング！！！」というかたちでコラボをするなど外部に仕掛けていく戦略を展開し、「ＴＯＫＹＯ ＩＤＯＬ ＦＥＳＴＩＶＡＬ」のホスト役を務めた部分においてもアイドル史に名を残す存在だ。また、テレビ局が後ろ盾だけに先鋭的なメディア戦略もあった。
その結成時の最年長メンバーが“アイドリング！！！１号”の加藤沙耶香だ。彼女は１９８５年８月９日生まれで当時２１歳だった。アイドリング！！！には当初、リーダーの役職がなかったが、加藤は“自称リーダー”を名乗り、メンバーのキャラが開拓される前より番組を盛り上げ、グループの精神的支柱として「さやねえ」と呼ばれた。また、デビュー曲『ガンバレ乙女（笑）／ｆｒｉｅｎｄ』（２００７年７月１１日発売）以降、アイドリング！！！の歌手活動においても重要な役割を果たしていた。
