■山でイキイキする森本慎太郎

 しかし、サルノコシカケが生えている木は腐って倒れかかっており、仮に木に登って手が届いたとしてもケガをしてしまう危険性が。そこで、森本は「こっちの生きてる木に登って採るしかないか」と、隣の木を登り、そこから手を伸ばして採ることに。

 その木はシロダモで、つかめそうな枝葉がないうえに表面が滑りやすいのだが、森本は木の幹に抱きつくと、スルスルと難なく登っていく。そして固くて手でもぎ取れないと分かると、石を使って叩き落とし、「立派! これでお茶を沸かして、長(オサ)に献上する」と喜んだ。

 それ1つで十分にお茶は作れるのだが、森本はさらに巨大なサルノコシカケを発見。顔より大きい横幅約60センチ、推定20年から40年以上のもので、店によっては30万円以上の値段がつく100年ものに迫るサイズだったが、森本はこれを盃にするという。

 森本は味と成分が出るよう、小さいサルノコシカケを石臼で細かく砕くと沸騰したお湯で煮出し、それを待つ間に巨大なほうを30分かけて削り出して特大サイズの盃を作った。しかし、煮出したお茶を味見すると、エキスが出すぎていて、森本は「苦っ!」と顔をしかめた。

 それでも森本は「城島さんならイケるはず」と、3時間後、作業を終えた城島と合流し、サルノコシカケのお茶と盃をサプライズプレゼント。城島は巨大盃を「よう見つけたね、島の宝よ」と喜んだが、お茶には「真っ黒やねえ」「コーヒーみたいな色よ」と微妙な反応だった。

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