■長男・和輝の包容力が際立つ安達家での存在感

 また、和輝が長男として存在感を放っているのが、安達家での振る舞いだ。安達家は家計簿を付けていて、月の締めにそれぞれの進捗を報告することになっている。和輝は大学で提出したレポートの評価を報告、次男は年賀状のアルバイトと国立大学に進学する意向を伝え、三男は新規でサッカーチームに参加したい希望を打ち明けて家族全員の了承を得る、といった具合だ。

 和輝が、大学生ながらアルバイトで家計を助けていることや、弟たちを見守りまとめている様子が頼もしい。また、姉ちゃんが恋の報告をした時は、職場恋愛についてやんわり忠告するなど、長男としての立場を全うしていた。それでも演じるのは髙橋だからキツイ印象は一切なくて、穏やかで温かい雰囲気に包まれていたのがとてもよかった。

 この温かさは、髙橋が持つ魅力そのものだ。好きな女性も家族も大きな愛で包みこんでいく魅力あふれた一人の男として、これからも視聴者をぐいぐい引き込んでほしい。

(文・青石 爽)

『姉ちゃんの恋人』は、2019年に紫綬褒章を受章した岡田惠和氏によるオリジナル脚本。安達桃子(有村架純)は年の離れた3人の弟たちを立派に育てるため、一生懸命に日々を過ごしている一家の大黒柱。長男・和輝(髙橋海人)は農学部に通う大学生、次男は高校生、三男は中学生、全員明るくて仲の良い家族だ。そんな桃子が職場で出会った吉岡真人(林遣都)に恋をすることで、身近にある幸せを感じたり、家族や人とのつながりの大切さを感じる、ラブ&ホームコメディードラマである。

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