「三浦春馬さん思い出す」ミスチル“魂の歌唱”と「14年の歩み」にファン涙の画像
三浦春馬さん

 年の瀬が近づくにつれ、今年起こったさまざまな出来事に思いを巡らせている人たちも多いのではないだろうか。

 新型コロナウイルス感染症の世界的流行で、私たちの“日常”は一変。加えて、コロナやあるいは別の原因で、多くの人々に親しまれてきた著名人が立て続けにこの世を去り、やり場のない息苦しさが日本中に蔓延した。

 中でも、唯一無二の才能の煌めきを有していた三浦春馬さん(享年30)の死が人々に与えた影響は、かなり大きかったように思う。三浦さんが死の直前まで撮影に臨み、事実上の遺作となったTBS系ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』は、全4話に縮小する形で放送。最終話の平均視聴率(世帯)は10.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタを記録するなど、三浦さんの“ラストアクト”に多くのファンが注目した。

 この作品の主題歌となっていたのが、Mr.Childrenが歌う『turn over?』だ。ドラマの企画段階でオファーされたというだけに、その世界観を魅力的に引き立てるポップな楽曲に仕上がっている。

 21日夜、4時間にわたって放送されたTBS系音楽番組『CDTVライブ!ライブ!』の中で、同楽曲をテレビ初披露したMr.Children。ボーカルの桜井は歌唱前、「こうやってクリスマス直前のこの12月に、テレビで歌える喜びを感じながら、それから、何も起こらないありきたりの日常を慈しみながら、お届けしたいと思います」と珍しくMCを挟み、ゆっくりと言葉を選びながら、視聴者に対して真摯にメッセージを送った。

 夏のラブコメにぴったりな、桜井和寿(50)らしい皮肉が効いたラブソング。同時に、不器用ながら懸命に生きる私たちを優しく包み込んでくれる“応援歌”にも聞こえてくるから不思議だ。そして、どこか切なさも内包したこの楽曲を聞くと、どうしても三浦さんのあの柔らかな笑顔が浮かんできてしまう。

 三浦さんとMr.Childrenは、そもそも縁が深い。今から14年前、センセーショナルなテーマを描き三浦さんの存在を世に知らしめた06年のドラマ『14才の母』(日本テレビ系)では『しるし』が、儚げな美しさと繊細な演技が注目を浴びた07年の映画『恋空』では『旅立ちの唄』がそれぞれ起用されており、今夏の『カネ恋』の『turn over?』で、両者は実に3度目のタッグを組んだことになる。

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