「冬の突然死」予告サイン!?「歯・舌・足・喉」の異変は体の深刻SOSの画像
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 普通に日常生活を送って人が突然、帰らぬ人となる「突然死」。世界保健機構(WHO)は、体の内部で症状が出て、24時間以内に死亡するケースを突然死と定義している。日本では、年間7〜10万人が突然死で亡くなるが、循環器科が専門の石蔵文信・大阪大学人間科学研究科招へい教授は、こう説明する。

「突然死は心筋梗塞と脳梗塞が多く、特に12月から2月にかけて集中します。寒さや寒暖差で心臓や血管に負担がかかることが主な原因で、動脈硬化が進んでいる人は特に気をつけていただきたい。突然死は何の前触れもなく起こるように見えますが、実は、事前の“小さなサイン”が出ているケースも少なくないんですよ」

 では、その“サイン”を具体的に見ていこう。突然死の代表格の一つ、心筋梗塞。心臓を取り巻く冠動脈が詰まることで、酸素不足を起こし、心筋(心臓の筋肉)が壊死を起こす病だ。そのサインは、歯や手足など体の特定の部位に時折、数分間のズキズキとした痛みを感じることだ。

「心臓に大きな負担がかかると、脳が勘違いを起こします。心臓と同じ神経の支配下にある歯をはじめ、足や肩、腕、手先に痛みを感じさせるんです」(前同)

 特に、この神経は左半身の神経とつながっているため、左肩や左手など、左半身に痛みを覚えたら注意だ。また、足は痛み以外にも、重いと感じたら、心筋梗塞を疑ってみてほしい。

「坂道や階段を上がるときに、なんとなく足が重いというのは、心臓が弱っていて、足まで血液が十分に供給されていないときに起こります」(同)

 お酒を飲む際にも予兆は出る。飲酒すると、決まって、しばらく胸が締めつけられるように痛むならば、心臓に負担がかかっている可能性がある。

「これは、心臓の血管が狭くなり、心筋が一時的に酸素不足となる、狭心症(心筋梗塞の前段階)に多い自覚症状。飲酒による心拍数の上昇に、心臓が耐えられていないんです」(前同)

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