■役所広司以来の衝撃?
さらにもう1人、「これこれ、これなんだよ!」と膝を打ったのが、篤姫役の上白石萌音(23)である。甘い恋愛ドラマの主役が続いたが、彼女からにじみ出るしたたかさは、断然、こちらのほうがしっくりくる。天真爛漫で賢くて動じない。そんな「へへへ……」という笑顔が頼もしくて恐ろしくて鳥肌が立った。この衝撃、1983年の大河ドラマ『徳川家康』で織田信長を演じた役所広司(65)を初めて見たときと同じぐらいかも。『青天を衝け』の台風の目!
ドラマ全体としては、今のところ『大河』らしい壮大な雰囲気はまだなく、教育番組の再現ドラマの超豪華バージョンという感じも正直、否めない。だが日本を代表するベテラン勢が土台を作り、そこに男女ともに次世代を担う俳優がガップリ肩を組み、ぶつかり合う火花はすでに感じる。
28日放送の第7回「青天の栄一」は、ひとつのターニングポイント回になる予感。千代の取り合いシーンも含め、物語が大きく動きそうで楽しみだ。(田中稲)