竹中直人さん、山田孝之さん、齊藤工さんは僕の描きたいことを分かってくださっている

 今回、映画化された『ゾッキ』にしてもそうですが、僕の作品に一貫したテーマというものは、特にありません。ギャグ漫画というほどギャグも描いていないし、ただ描きたいものを好きに描いているだけ。特に日常の中のちょっとした変化とか、人生の悲哀とか、そうしたネタが好きなんですね。そこは自費出版を始めた頃からあまり変わっていません。

『ゾッキ』の映画化のお話をいただいたときはうれしかったですね。今作は、竹中直人さん、山田孝之さん、齊藤工さんという3人の俳優さんが監督を務めていますが、オムニバスではなく、それぞれが監督した短編をつないで1本の映画にするということだったので、「どうなるのかな?」という不安はありました。

 でも、できあがった映像を観て、“なんてスムーズにつながっているんだろう”と驚きました。原作者として何の違和感もない。エラそうな言い方ですが、3人の監督の方々が僕の描きたいことを分かってくださっているということだと思います。

 若い頃は漫画以外にも、バンドとかお笑いとか、いろいろな表現活動をしたいと思っていました。でも、41歳になった今は、自分の描きたいニュアンスが表現できる漫画を、ずっと描いていけたらいいなと思っています。描いているのは4コマやショートストーリーですが、僕が最も影響を受けた漫画家は、楳図かずお先生です。自分では『漂流教室』のようなパワーのある作品はなかなか描けない。楳図先生のようにとは言わないですけど、一度は長編に挑戦したいですね。そこは頑張りたいです。

大橋裕之(おおはし・ひろゆき)
1980年1月28日生まれ。愛知県出身。2005年から漫画作品の自費出版を始め、2007年に商業誌デビュー。独自の作風の4コマ漫画や短編で人気を得る。代表作に『ゾッキA・B・C』『音楽と漫画』『夏の手』『遠浅の部屋』など。2014年には『シティライツ』が映画化(『超能力研究部の3人』)、2020年には『音楽』がアニメ映画化されている。

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