その後『11月のアンクレット』をパフォーマンスする際には小栗がセンターを務めることが多く、渡辺の後継者として笑顔溢れる「王道アイドル」としてのパフォーマンスをしてきた。

 渡辺が卒業した後に52ndシングル『Teacher Teacher』でセンターに抜擢されたのは、もちろん彼女の努力に他ならないが、AKB48の新たな「王道アイドル」としての期待の現れでもあったのだろう。

 天然キャラとしてもバラエティで魅力を発揮している小栗だが、王道アイドルは決してその佇まいだけで判断されるものではない。小栗は自分のアイドル像としているのは泣いている姿や弱さを見せないということだ。

 小栗は自身のアイドル像について「いろんなチャンスを与えていただいているので、失敗したとしてもみんなの前では泣きたくないし、前を向きたいです」と語っており、アイドルでいる限りはアイドルを全うするという強い心意気がそこには感じられる(『BUBKA』2018年9月号)。

 これは「裏側を見せない」ことを王道アイドルの理想としていた渡辺とも通ずる部分ではないだろうか。

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