2017年4月にリリースされた『不協和音』のパフォーマンスは特に印象に残っている方も多いのではないだろうか。同年末の『第68回NHK紅白歌合戦』で同曲を披露した際には鬼気迫るパフォーマンスで視聴者を魅了し、紅白の歴史に残る圧巻のステージを作り上げた。何かが憑依したかのようなダンスパフォーマンスとよく言われるが、平手の魅力はこの唯一無二の表現力にある。

 “アイドルの枠を超えた”つまりは完成されたパフォーマンスを志向してきた欅坂46において、それを支えていたのは平手の表現力だった。欅坂46の楽曲を見ていただければ、誰もがそう感じるはずだ。

 それは何も音楽のパフォーマンスに留まらず、『徳山大五郎を誰が殺したか?』(テレビ東京系)、『残酷な観客達』(日本テレビ系)をはじめ、初主演を務めた映画『響 -HIBIKI-』でも同様だ。

 登場人物の世界観を高次元で表現する平手の演技にはどこか惹きつけられてしまうような魅力がある。『響 -HIBIKI-』では「第42回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞し世間的にも女優・平手友梨奈の名を知らしめた。

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